代官山経由徒歩通勤ブログ

ユナイテッドの手嶋浩己のブログです

事業ポートフォリオ

気が向いたので、ブログを少し書いてみようと思う。徒歩通勤は月に3−4回くらいしかしてないけど。

 

当社のスマートフォンメディア事業においては、「CocoPPa」が現在注目されている だと思うが、私的には最大の競争優位の源泉はその事業ポートフォリオにあるのではないかと考えている。2011年初頭からスマートフォンメディア事業(アプリ事業)を本格スタートして、

 

 ・ゲーム事業領域以外でなんとか当社の新しい事業の柱にする        

 ・ゲーム事業以外、という点では都度軸を持ちながらも柔軟に対応して行く     (何が収益化できるか全くわからないから、最初は教育有料アプリでした)

 

ということで、組織と事業を同時に作ってきた。で、結果、うまくいった事業、うまくいきつつある事業、うまくいかなかった事業などもろもろあるが、「結果として」GW明けから下記事業ポートフォリオに括り直してそれぞれ成果を出す体制に移行することとした。

 

 ・CocoPPa事業                                

 ・スマートフォン広告メディア事業                     

 ー Discodeerの流れからのGroovy連携のBeat+(DeNAとの共同事業)     

 ー その他アフィリエイトメディア事業                   

 ー レビューメディア事業(アプリシュラン)                  

 ・キャリアマーケット関連事業                      

 ー    auスマートパス(8つのアプリが採択) 他

 

足元収益化しやすい広告メディア事業、キャリアマーケット関連事業でそれなりのポジションを既に築いており、グローバルな大きな発展が目指せるCocoPPa事業のようなユニークなアセットもある、そしてグループ戦略でいえば、先日発表した「fogg」(この会社は今はない全く新しいスマートフォンメディア事業を立ち上げる会社)などの新しい種も撒いている、という状況と、それぞれそこにコミットできる優秀で意欲的な人材が存在し、実際の事業活動を通じて日々成長をしている、そのこと自体が今後のスマートフォン市場を考えると競争優位だと思う。もちろん、それぞれが中途半端にならないようにマーケットシェアを取っていける活動をしていくことが重要だ。

 

この事業ポートフォリオは前述したように完全には意図したものではないが、幻想ではなくマーケットの現状を直視し、ゲーム事業領域以外でスマートフォンメディア/コンテンツ領域で成長をしよう、ということだけを考え続けた結果いきついたものである。現実に成長性があり、収益性もあり、当社が勝てるポジションにある事業のみが残っていると考えている。

季節感を取り入れる

春だ。桜だ。花見の季節だ。

 

季節感を大げさに取り込んで行く、ということは会社経営や事業マネジメント上、

結構重要なのではないか、と思うし、確か以前読んだなんかの本にも書いてあった。

 

当社の場合、12月決算のため、新年度スタートというわけでもなく、2Qが始まる、

というタイミングだけなのだが、やはり、春になり、新卒社員が入ってきて、

それなりにまとまった組織変更や人事異動などもあり、会社全体に新しい空気が

生まれるのはこのタイミングである。

 

仕事や業務内容にもよるが、日々の仕事はプロジェクトというのは、意識していないと

日々漫然と流れて行き、「句読点」を打つのが難しい、という性質のものも存在する。

そのときは、季節感を上手く取り込むのが良いと思う。春だから、夏だから、秋だから、

といったものである。気付くと仕事や会社、という事象のみに集中しがちだが、

季節感を取り入れる事で、「句読点」を打つ事ができるし、仕事や会社の外、に目を

向け、思わぬ気付きを得る事も、ときにはできるだろう。何よりも、リフレッシュ、

再スタートの機会を得る事で、いつもの業務も新たな気分で取り組む事ができる。

 

立場や役割的にはどんな状況でも一定のマインドで、外部環境に左右されずに淡々と

物事を考え、推進していくべきだが、私自身もやはり春というのは少し浮かれた気分

になる。

 

まあ、そんなこともあり、季節感を過剰に、表現を変えれば意図して取り入れるのは

重要な事だと思うし、気分的なことだけでなくて、実際に4月から幾つか事業の運営

方法を変えていこうと思う。夏頃にこれらの成果が大きく出ていると良いな。

4月直前に毎年思い出す事

3月いろいろとアクションしていたら、いつの間にか4月。

 

本日も2013新卒採用の役員面接を担当しているし、来週月曜日

は社内的にも組織変更/人事異動/2012新卒が入って来て、

2011メンバーは新卒じゃなくなる、といった節目のタイミング

である。担当事業は注力領域のため、当然ながらこの4−5月で

他部門からの異動や、新卒配属等も含めて人員がある程度の

規模増えて行くことになるので、改めて内部を固める事に

時間を割くべきであろう、と考えている。

 

しかしながらこの時期になると思い出すのは、大学に入る前、

や社会人になる前の春休み期間のことである。この期間は、

次の道は決まっているそれなりに希望に満ちているけど、

どこに所属しているという感じでもなく自由である、という

自分的にも特別なフィーリングを持った時期として印象に

残っている。

 

【大学入る前(1995年)】

・高校2年に骨折した際に埋めたボルトを外す手術の為に

 に入院していた。その間に地下鉄サリン事件が起きて、

 退院後に世の中が大変なことになっている事を知った。

・始めての一人暮らしを始めてもろもろ準備をした。

 この間だったかな、失恋とかもしたね。

 

【社会人になる前(1999年)】

・多摩地区でほぼ過ごした大学生生活から、池尻にある

 会社の借り上げマンションに。同居人が大阪大学

 北海道大学出身の同期(初対面)だったが、その時点で

 なぜか東京にある大学出身の私よりも都心の事情に詳しい

 という屈辱的な状況を味わう。

・大手広告代理店入社ということで、なんとなく社交的なムード

 を過度に示さないといけない(そんなに非社交的なほうでも

 ないのですが)、とけ込めない雰囲気もあって、自分的

 にもそれなりに無理してテンション上げていた記憶が。

・ゼストとか、モンスーン系の店が当時絶好調で、なんだか

 そんな風な店とか、clubasiaとか入り浸ってたね(ラモス

 がたまにいた)。

i-modeが出始めの時期で、北海道大学出身の住人は早速

 買っていたが、私はなんと、大学時代携帯電話もPHSも

 持たずに過ごしていたたため、その時期に携帯電話自体を

 人生始めて購入した(普通のやつJ-PHONEだった)。

 なんだか、ワクワクした。

宇多田ヒカルがよく流れていた。

 

私は、何年か前から、新卒を会社に迎え入れるタイミングで、

なんだかそんなことをいつも毎回思い出して、そのときの自分

の感情を手触り感もって認識しつつも、時代も変わっている

ことも念頭に、どのようなメッセージや話を投げかけるのが

良いのだろうか、と思案している。

 

DeNAとアドウェイズの提携

今日日経新聞にDeNAとアドウェイズの成果報酬型広告枠及び

ソーシャルゲーム両面での提携の話が出ていて、驚いた。

が、まあ、そういう範囲の話もあるんだろうなあ、という

既視感みたいなものも不思議と感じた。

 

DeNAさんとはモバイル広告事業で古くからお取り引きさせて

いただいている関係だし、アドウェイズさんもスマートフォン

時代になってから急速に関係値が高まっている1社でもある。

 

スマートフォン時代になって、市場のルールが変わったり

定義が変わったり、範囲が変わったり、または変わり目に

乗じて上手く動こうとする会社もあり、会社と会社の関係値

も各所で変わって行く事なのだろうと思う。これは、キャリア

とコンテンツプロバイダーなども関係も同じようにいえると思う。

 

今回のことでいえば、ソーシャルゲーム業界よりも、スマート

フォンのアフィリエイトとかリワードとかの市場で事業を営もう

としているプレイヤーへの波及効果のほうが大きいだろう。

時間の使い方

今思うと、昨年は「見守っている時間」が多かった。

もろもろ組織的にも、実際のサービスとしても大きい意味で

「仕込み中」だったので、自分がやるべきことはそういう

ことなのだと、認識していた。だから、実は結構暇な時間が

あり、書籍を書いたり、スパイアスマートフォンラウンジ

というイベントを積極的に行ったりしていた。

 

一転、今年に入って組織も成長し、サービスも実態として

世の中に現れ、一転、「率先してアクションをする時間」が

圧倒的に増えた。逆に自分がアクションをすればするほど

成果が出るフェーズともいえるし、当社組織の若いメンバーは

「素晴らしいサービスを創る」ということでは私よりもある種

秀でているがそれを事業機会に結びつけて行くアクションは

私の方が長けている側面がある。ので、「一緒に行動を起こし、

それらのプロセスややり方を学んでもらいつつ、事業成果を

出せる状況を作っている」という感じである。

 

このプロセスを1年くらい続けると、その意味での闘魂伝承も

終わり、組織のマネジャー陣が成長し、自分の役割はそこですら

なくなるんだろう、という実感がある。その先より大きい事業

にしていくために自分の役割を率先して再規定していく必要が

あるかも。

 

事業のフェーズや空気を読みながら、自分の役割や関与の仕方

を率先して変えて行く、ここも経営者の一つのスキルであり、

センスだと思う。今は徹底的に現場感もって、一緒に行動して

いくフェーズ。

評論家を増やさない工夫

私は社会に出て13年くらいになるが、最も苦手なタイプが

「評論家タイプ」の人である。

 

苦手、というのはいささかマイルドな表現にしているが、

もっといえば生理的に嫌い、であり、かつ、一緒に仕事を

したくないタイプともいえる。

 

ただ、「評論家のワナ」とも言うべきものがあり、それは

キャリアを積んで周りが見え、情報が入り、物事に詳しく

なればなるほど評論家になってしまう可能性が高くなるという

ことである。

 

当社スマートフォン事業本部では、そんな「評論家のワナ」

に引っかからないために、とある工夫をしている。先週、

エキサイトのスマートフォン推進室長の岡田さんに話した

ところ、好評だったので書いてみる。

 

・当社のスマートフォン事業本部・プロデューサー定例

 での一こまです(2週に1度実施)

・私が毎回「お題となるサービス」を上げます。社会的

 業界的にうまくいっているサービスもあれば、そうで

 ないサービスもあります。

・それを2週間使い込み、「自分がそのプロデューサー

 だったらそのサービス/事業をどのように育成するのか」

 という当事者の視点で徹底的に使い込み、考え、皆の

 前で発表します。

・特に全員で結論を出す訳ではないのですが、全員が当事者

 の視点で物事を話す事で主体的になります。

・また、常に他社のサービスを見るときにも評論家ではなく、

 当事者の視点で物事を考える、発想する癖が身に付きます。

 

実際、話し合われるレベルも徐々に上がっており、参加していて

私も楽しい会議の一つになりつつあります。私自身も評論家に

ならないように常に実践者として自分の言動行動を律していきたい

と思います。

人の欲望

昔(もう10年くらい前になるんだな)、博報堂でマーケティングの

仕事をしていたときに教わってしっくりきたことの一つに、

「マーケティングとは人の欲望に接触する為の活動」ということがある。

 

アトランティスの木村さんが最近Twitterでつぶやいていた、

 

・人の欲望が所有欲から違うものへ急速に変化している。

 

ということや、gumiの国光さんがソーシャルゲームの社会的意義として、

 

・満たされた成熟化社会でのエンターテイメント(心的価値)

 

を謳っている?(多分)ことなどからも分かる通り、ネット業界でも

この「人の欲望」をどう見抜きどうサービスに反映させて行くのかが

大切だと思う。

 

その点で、「人の欲望」と「それに基づく動き」に組織的に敏感になり、

それをランキング対策やサービスそのものへの反映にスピーディに

活かせているのが、当社がスマートフォンアプリの分野で現状まずまず

の成果を上げられている一つの理由だと思う。

 

サービス提供側が「ユーザーにこのように動いてほしい」と考える設計

ではなく、「ユーザーの欲望は何か」を起点に考えると、物事の判断が

すっきりすることが多い。単純だけど、この積み重ねでサービスは改善

していくしかないと思う。